統計学が最強の学問である
「統計学が最強の学問である」西内啓 (ダイヤモンド社/2013/1/24)
統計学とは
統計学は現代において最も重要な学問の一つといっても過言ではありません。
それはデータを用いて得られた答えはどんな権威やロジックをも吹き飛ばして私達をより正確な答えへと導くからです。
元々、主要な統計解析手法は1960年代頃にはほぼ出揃っていました。
現代統計学の父であるロナルド・A・フィッシャーが亡くなって50年以上が経っているにもかかわらず、それまでなぜ、統計学的手法は社会で主流ではなかったのでしょうか?
統計学が主流になった理由
それはデータの入力、管理、集計に手間がかかったことが大きな原因であると考えられます。
一昔前の主流の調査方法はパンチカードをコンピューターに読み込ませてデータを解析させることでした。
人間が手動で厚紙に穴を開けてデータを入力するのには膨大な時間と労力がかかったことでしょう。
しかし、現在はパンチカードに記録されていたデータはハードディスクなどに簡単に記録されるようになり、データ入力も画面を見ながら簡単に行えるようになりました。
また、統計解析の段階においても簡単なプログラムを書いたり、すでにある解析ツールを用いて大規模なデータの解析が可能です。
こうしたITの進歩が統計学を重要な学問にしたものと考えられます。
統計学を学ぶ意義
近年、ビックデータを解析することが統計学的分析において重要であるという風潮がありますが必ずしもビックデータを解析する必要はありません。
正確な答えを知るためには全数調査を理想とし、より多くのサンプルが必要だと考える感覚は多くの人が共感できるかと思います。
しかし、実際はサンプル数を一万から二万に増やしても誤差が0.1%しか変わらないことも多々あります。
つまり、分析にかかるコストがその分析によるメリットを上回るのならば正確性を追求しすぎることはデメリットを生みます。
重要なのは正しい判断に必要な最小十分なデータを扱うことです。
そしてそのデータ数は個々の事例によって異なります。
どれだけ解析ツールがAIなどの技術により発達しても、どのようなデータを用いて分析を行い価値を生み出すかは人間の仕事であり、そこに統計学を学ぶ意義があるでしょう。